「バチッバチッ」という破裂音が心地よい。機械弁が奏でるいのちのリズム

投稿者: | 2017年2月3日

大動脈解離によって、私の大動脈弁にも障害が起こりました。
スタンフォードA型の大動脈解離に付随して頻発する現象です。
そのため、その壊れた弁を「機械弁」に置き換える手術も行いました。

 

機械弁には特徴があります。
まず、「ワーファリン」の服用です。
血液は異物に触れると固まり始める性質があります。
機械弁は、身体にとっては異物です。
そのため、血液を固まらなくするように、クスリによってコントロールしなければならなくなります。
ワーファリンには、血液が凝固するのを抑える作用があります。
機械弁がある限り、ワーファリンを一生飲み続けなければなりません。
これにより、ワーファリン服用という新しい日課が、自分の人生に組み込まれることになりました。
ワーファリンが、この機械弁をいつまでもしっかりとメンテナンスしてくれています。

 

第2に、「音」です。
機械弁を入れてから、心拍音が耳で聴きとれるほど大きくなりました。
音も、昔の「ドクッドクッ」から、「バチッバチッ」という破裂音にかわりました。
静かな部屋でベッドで寝ていると、自分の耳にこの心拍音がよく聞こえます。
特に、手術を受けて間もない頃は、心拍がよく飛びました。軽い不整脈を頻発していたのです。
その時は、いつか心臓が止まってしまうのではないか、という恐怖心を強く感じていました。
なかなかこの「音」に慣れることができなかったのを憶えています。

 

ただ、手術を受けてから丸五年が経過し、この音はもう全く気になりません。
少なくとも、この機械弁が今の私の心臓を支えてくれています。
そしてこの機械弁の音が、まるでメトロノームのように「いのちのリズム」を奏でてくれています。
今は、この機械弁が愛おしくて愛おしくてしかたありません。

 

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