どうしても気になる機械弁の音。その心拍音が教えてくれる本当の意味とは?

投稿者: | 2017年8月21日

宇宙空間には「音」が無いそうです。
「音」は大気が振動することによって伝わります。
宇宙空間には大気がないので、音は存在しないことになります。
宇宙を題材にした映画で、普通に効果音が入っていたりしますが、あれはウソだとのこと。

「音」を感じない世界。
恐怖と不安で耐えられないだろうな、というのは容易に想像がつきます。
逆に言えば、「音」というのは、人間にとって精神の安定に不可欠な要素といえるのかもしれません。

その「音」について、一時期嫌になったときがありました。
それは、自分の心臓に機械弁を植えたときのことです。

大動脈解離の手術をしたとき、大動脈弁も損傷していたので、機械弁を植えました。
「機械」といっても、電池で動くようなものではありません。
カーボン製の人工弁です。

この人工弁を植えて一番気になったのは、その心拍音です。
今までの「どくっどくっ」という胸の振動が、「ばちっばちっ」という破裂音に近いものになりました。
静かな部屋にいると、自分の心拍音を耳で感じることができるくらい。
最初のうちはこれになかなか慣れることが出来ませんでした。

音だけならいいのですが、たまに期外収縮が起こって心拍リズムが飛ぶことがあります。
そのときは、心臓が止まってしまうのではないかという不安に苛まれます。
このことを主治医に相談すると、「期外収縮はよくあること、問題なし」とのこと。
ただやはり、一時期はその心拍音がストレスとなっていました。

ただ、この「音」は私が生きているという証拠に他なりません。
そう思うと、その意味合いは変わってきます。
心拍音や不整脈に慣れてくると、だんだんこの音が心地よく感じられるようになりました。

そしてその「音」が、常に自分の耳に聞こえているという事実。
「音」を感じられるということが、どんなに幸せなことか。
それが実は素晴らしいことなのだと、機械弁を通じて改めて教えられました。

 

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