クオール薬局の処方箋付け替え問題。コンプライアンスの重要性を思い知る。

投稿者: | 2017年5月23日

先日、チェーン調剤薬局大手のクオールが、処方箋の付け替えを行い、不正請求を行っていたとの報道がありました。
一般的には大したニュースにはならないのですが、医療関係の仕事をしている者としては、かなりの大事件です。

この問題、一般の方々には分かりにくいかもしれません。
ざっくり分かりやすくいうと、税金や健康保険から捻出される調剤薬局への報酬を、クオールがより多く貰えるように不正をしていた、という事ですね。

日本国民であれば比較的軽い負担で医療にアクセスできます。
いわゆる国民皆保険によるメリットですね。
ところが日本は超高齢社会に突入し、医療費を含む社会保障費はパンク寸前まで来ています。
そのため厚生労働省も、医療費の無駄を省くため、色んな施策を展開しているのです。

その施策のひとつが、大手のチェーン調剤薬局への締め付けです。
従来より厚労省は、特定の医療機関から集中的に処方箋を受けている薬局の報酬を減らす施策を展開してきました。
病院の玄関周辺に多数の薬局がひしめいているのを目にした方もいると思います。
いわゆる門前薬局と呼ばれる薬局です。
これらの門前薬局は、ほぼ同一医療機関からの処方箋で占められていますから、そういう薬局の報酬を減らしてきたのです。

さらに、門前薬局は資金力豊富なチェーン調剤と呼ばれる大手企業が占めています。
儲けすぎだ、との批判から、厚労省はさらに報酬の引き締めにかかったのです。
クオールもそのひとつ。
2016年4月から新ルールによる報酬体系が始まりました。
クオール以外のいわゆるチェーン調剤薬局は、軒並み厳しい決算を強いられています。

そんな状況の中で、今回の不正が発覚したのです。
ちなみにですが、各社減収減益の決算が相次いでいる中で、クオールは増収増益の決算をたたき出しました。
色んな要因があるにせよ、どうしてもクエスチョンマークをつけたくなります。

ただ、今回の事件により、業界内での信頼は失墜しました。
クオールの会長は、チェーン薬局が集まる業界団体の会長職に就いていたのですが、今回の事件を受けてあえなく辞任。
さらに、クオールの店舗には多くの薬学生が実務研修に訪れていたのですが、それを廃止する大学も出てきました。
この信用を回復するためには、長い時間を要することになるでしょう。

仮に、会社として組織ぐるみで不正したのではなく、個人の判断で行ったことだったとしても、会社としての評判はガタ落ちします。
最悪の場合、会社を潰すことにも繋がりかねない事態に陥ります。
コンプライアンス遵守、と叫ばれて久しいですが、社会の構成員として最低限のルール、規範を守ることはまさに必須です。

常に誰かに見られている。
そういう意識が必要です。
組織に身を置く者として、コンプライアンスの重要性を思い知らされた事件でした。

今日は中野区の得意先周り。
中野駅の北側にはキレイな公園が整備されていました。
まさに市民にとっての憩いの場に変容していました。
暑い1日でしたが、束の間のリラックスタイムを過ごすことができました。

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