クオール薬局の処方箋付け替え問題が映し出す、調剤薬局業界の未来予想図とは?

投稿者: | 2017年5月29日

チェーン調剤薬局大手のクオール薬局が、処方箋の付け替えにより、不正に調剤報酬を得ようとした問題。
医薬品業界には少なからず激震が走りました。

この問題、クオール薬局という大手が起こした問題ということでクローズアップされましたが、今後の調剤薬局業界の未来予想図を描いているようにも見えます。
医薬品業界は、国民皆保険という名のもと、国民に平等に医療を受ける機会を提供してきました。
どこの医療機関にかかっても、基本的には同じ値段で治療を受けることが可能でした。

しかし、時代は大きく変わろうとしています。
日本は超高齢社会に突入。
人口は減少局面に入り、医療費の原資となる健康保険も火の車状態。
医療、介護を含む社会保障費は年々増加し、このままではいずれ破綻するのが目に見えています。

厚労省も、当然ながらこの医療費の削減に手をつけてきます。
調剤報酬もそのひとつ。
調剤薬局は、今までは医師から発行される処方箋通りに調剤しておけば、高い技術料と薬価差益により高収益をあげることができました。
しかしながら、調剤薬局は儲けすぎ、という一部の声を反映し、ただ単に処方箋通りに調剤するだけでは儲からない仕組みを次々に展開していくことになります。

厚労省が描く調剤薬局のビジョンは、患者の健康を積極的にサポートする機能を高く評価します。
薬剤師によるかかりつけ化、在宅支援に積極的、かつ地域医療に積極的に関わっていく薬局を高く評価するものです。
いわゆる高機能薬局を評価し、いわゆるパパママ薬局と呼ばれる調剤専門の薬局は退場していく仕組みを積極的に推し進めています。

調剤薬局は全国に5万8000軒あるといわれています。
厚労省は、今の薬局数は多すぎ、将来的には半減したい、と口には出しませんが本気で思っているようです。
調剤薬局の、生き残りをかけた本格的な戦いは、すでに始まっているのです。

クオール問題はまさにそこにあります。
より高い調剤報酬を得るために不正をした。
チェーン調剤も、調剤薬局として国が求める機能を有していないと淘汰される時代が来ているということです。

おそらく、これから調剤薬局の姿は大きく変貌を遂げていくものと思われます。
単なる調剤から、患者さんの健康を地域とともにサポートしていく存在。
そこへいち早く脱皮できるかが生き残りの鍵となります。

クオールの問題は、日本の調剤薬局の未来の縮図といっても過言ではありません。
今後も注意深く見守っていきたいと思います。

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