人生の大転換。12時間におよぶ大手術で心も身体も生まれ変わった。

投稿者: | 2016年12月23日

救急搬送から検査、そして緊急手術へ

搬送後、救命救急センターの処置室へ運ばれました。
そしてすぐに、若い循環器内科の先生が、心臓超音波検査(心エコー検査)を始めます。
しばらくして、その先生が発した病名が「急性大動脈解離」でした。
実は、私はその病名をよく知っていました。
この病気は緊急性が高く、大がかりな手術が必要であること、死に直結する重大な疾患であること。
医療関係の仕事をしていたため、これらの知識はマスターしていました。
その時は、「今、自分の人生が閉じようとしているんだ」ということをおぼろげながらに感じつつ、それと同時に、「早く手術してくれ」と声を大にして叫びたい気持ちが入り混じっていました。

 

死を覚悟し、妻に暗に「さよなら」をほのめかした。

そのうち、私の勤務先から連絡を受けた妻が処置室にやってきました。
妻は、ベッドに横になって処置を受けている私を見ても、特に慌てふためいた様子もなく、何が起こったのかわからないような、呆然とした感じだったと記憶しています。
そんな妻と私に対し、先生が今おかれている状況について、つぶさに説明してくれました。
大動脈解離のこと、私の病状の詳細、これから緊急手術になること、心臓外科医が外出先から病院へ向かっていること。
説明を聞き終えた後、わずかではありますが、妻と二人きりになる時間がありました。
その時、私は妻の手を握り、「何かあったときはよろしくね」ということだけ伝えました。
妻は、「きっと大丈夫」というようなことを言っていたと思いますが、その記憶は定かではありません。
とにかくその場では、「死ぬ」とか「死んだら」とかいう言葉は、お互いに怖くて使えなかったような感じがあります。
もしかしたら最後になるかもしれない二人きりの時間を、お互いに当たり障りのない言葉で過ごしていました。

 

手術室へ移動。大手術が始まった。

しばらくして手術室へ移動となりました。
手術室に入ってからは、「痛いのが嫌だ」とか、「解離した動脈がいつ破裂するかわからない」という恐怖心があったのでしょう。
「早く麻酔をかけてくれ」と心の中でずっと叫んでいました。
そして間もなく、その願い通り、私は麻酔により深い眠りについたのでした。
12時間に及ぶ手術が始まりました。

 

麻酔からの目覚め。ここから私の新しい人生が始まった

手術後、集中治療室(ICU)で目覚めさせられました。
どのくらい眠っていたのか?朝なのか昼なのか?
そこで、医師か看護師かわからない誰かと、何らかのやり取りをした記憶がありますが、内容は一切覚えていません。
口から呼吸器用の管がのどの奥まで差し込まれており、「苦しいのは嫌だな」と思い、自らの意志ですぐに眠りについたのだけは覚えています。
そしてどれくらい眠ったあとかはわかりませんが、二回目に目覚めさせられたとき、口に刺さった例の管を一気に抜きとられました。
抜き取られるときの、あの得も言われぬ感覚。痛み。恐怖感。思わず気を失いそうになります。
でも、その時に初めて、手術はうまくいったんだな、生きて戻れたんだな、というのを実感しました。
ここから私の新しい人生が幕を開けたのです。

 

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