命の薬ワーファリン。古い薬なのになぜ今も使われているのか?ワーファリンに代わる薬はないの?

投稿者: | 2017年5月25日

私の心臓には機械弁が植わっています。
そのため、抗凝固薬であるワーファリンの服用が不可欠です。
私にとっては命の薬です。

ワーファリンという薬、実は古い歴史を持っています。
発売は1962年。実に55年。もうすぐ還暦ですね。
同じ系統の抗凝固薬の中にも、新薬はいくつかあります。
でも、ワーファリンのような古い薬が、若手の新薬を押しのけて今も現役バリバリなのはなぜなのでしょうか?

理由はいくつかあるようです。
まずひとつ目は、ワーファリンには歴史があり、臨床経験が豊富なため、本当に効いているかの評価がしやすいということです。
PT–INRという血液の凝固能を図る指標が、豊富な臨床経験のもとエビデンスとしてしっかりと確立しています。
それに則った治療を行えば、大出血のような生死に関わる副作用を抑制することができます。
処方する医師、薬剤師にとって、これほどの安心感はないのでしょう。

2点目は、ワーファリンは半減期が長いという特徴があるため、多少の飲み忘れや、服用間隔が空いたとしても大きな影響がないことが挙げられます。
同じ抗凝固薬で新しい部類に入るプラザキサで約11時間、イグザレルト約6-12時間であるのに対し、ワーファリンは55-133時間。
多少服用期間が空いたとしても大きな影響はないと考えられています。

確かに、私も急遽出張が入り、薬を持たないまま出かけてしまい、服用期間が空いてしまうトラブルに見舞われることがありました。
それでも大きな影響が無かったのはこの半減期の長さのおかげでしょう。

そして最後に、何と言っても薬価が安いこと。
ワーファリンは5mgで1錠あたり9.6円。
それに対しイグザレルトは75mg136円。
実に10倍以上の差があります。
効果に大きな差がないのであれば、安いに越したことはありません。
特に国の医療財政が逼迫する中で、コストパフォーマンスは重要な指標の一つとなります。

だからと言って新薬が悪いというわけではありません。
医学論文の中には、ワーファリンよりも大出血のリスクを低減するという報告もあります。
また、ワーファリンはビタミンKにより中和されてしまうという特性があるため、納豆などビタミンKを多く含む食べ物の摂取が規制されますが、これらの新薬にはそれがありません。

それぞれにメリット、デメリットがあるということですね。
でも私にとってみれば、このワーファリンが愛おしく思えます。
中年のおじさんが、元気な若手を抑えて存在感を発揮しているようなもの。
ワーファリンにはそういう親近感があります。

これから一生ワーファリンにはお世話になると思います。
末長く私の命を守って欲しいと思います。

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