山本化学工業のアセトアミノフェン原薬問題。一連の報道で感じた二つの違和感。

投稿者: | 2017年7月1日

アセトアミノフェン原薬の問題で揺れた医薬品業界。
その元凶である山本化学工業の業務停止が発表されました。
これを機に、今後の業務改善は当然のことながら、安定供給に向けて、しっかりとした体制づくりを行っていって欲しいものです。

ただ、今回の一連の報道で違和感を感じたことが二つありました。

まず、山本化学工業という社名。
今回の事件を受けて、山本化学工業のことを調べようとネットで検索したところ、この会社のホームページを含めた情報がなかなか出てきません。
この事件の発生を受けて、ホームページが閉鎖されてしまったのでしょうか。

その代わり、全く同じ社名の別会社の情報が目立ちます。
そして、その会社があたかも悪いことをしたような感じの記事まで出ていました。
全くの風評被害。これは由々しき事態です。

医薬品の製造、販売を行うメーカー名は、CMなどを通じてその社名を知ることができます。
ただ、その医薬品の原料となると、それを製造する社名を我々一般人が知ることはほぼありません。
ですから、このような風評被害が起こり得るのです。

情報を冷静に見れば、同じ社名のこの会社が、今回の事件とは全く無関係であることは容易に判断がつきます。
このような風評被害が起こらないように、悪意のある情報に対しては、当然のことながらしっかりと統制される仕組みを作るべきです。
そして、情報を得る我々一般人も、冷静かつ正確に情報を見る目を持ちたいものです。

 

あともう一つの違和感。
それは、「中国産」という言葉が、極めて悪いイメージでクローズアップされていたこと。
これには本当に強い違和感を覚えます。

今回の事件では、無認可の中国産アセトアミノフェンが、当局に無許可で混ぜられていた、というのが本質です。
無許可で混ぜたこと、これが法令違反に当たるわけです。

ただ、今回の報道では若干ニュアンスが違う面がありました。
混ぜられたものが、質の悪い「中国産」であったことが悪かった。
そんなニュアンスで取られた方も相当いらしたと思います。

でも、冷静に情報を見てみると、最終製品での品質や有効性、安全性に瑕疵は見当たりませんでした。
それもあって、今回の件では回収や出荷制限などの措置を取るまでには至りませんでした。
医療現場の混乱を沈めるための今回の厚労省の判断は、評価に値するものと思いました。

中国産だから質が悪い、安全性に問題がある、などというマイナスイメージ。
今回、各種メディアは、こぞってその部分を書き立てました。
でも、中国産だからダメだ、というのは、あくまでもイメージであって、合理的な根拠は一切ありません。

この世に数多ある医薬品でも、中国産の原料を使用したり、中国の工場で製造されたものは数え切れないくらい存在します。
医薬品に限らず、食品、衣類、工業生産品なども、その多くを中国産に頼っています。
中国産のものは、日本にとってはまさに必要不可欠な存在であるわけです。

国産だからと言って、無条件に高品質かつ安全、ということにはなりません。
しっかりとした客観的な評価基準の中で、それらは冷静かつ合理的に判断されるべきです。
イメージ操作は無用の混乱を招くだけで、国益を大きく損ねることにも繋がりかねません。
我々も、報道を冷静に見つめる眼力を、しっかりと持っておきたいものです。

 

 

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