急性大動脈解離の治療費に対する懸念

投稿者: | 2018年10月7日
今年のノーベル医学生理学賞に、日本人である本所佑さんが受賞されました。
受賞理由は、がん細胞を攻撃する免疫細胞にブレーキをかけるタンパク質「PD-1」を発見したこと。

 

その研究の成果として登場したのが、がん治療薬オプジーボ。

 

通常、身体の中にがん細胞ができると、自身の免疫細胞ががん細胞を攻撃します。
しかしがん細胞は、免疫細胞の攻撃にブレーキをかける物質を作り出し、攻撃されないようにするのです。
オプジーボは、このブレーキを外して、人間が本来持っている免疫力でがん細胞を攻撃し、効果を発揮させます。

 

今までの治療の常識を覆す画期的な新薬。
オプジーボは、がんを治療する医師だけでなく、がんで苦しむ人々にとって希望の光となりました。

 

しかし問題も孕んでいます。
治療が非常に高額になるという問題。

 

発売当初、100mg瓶で約73万円、20mg瓶が約15万円の薬価がつきました。
体重60kgの人なら1回180mgなので、約133万円。
2週間に1回の投与で1年間使い続けると年間3500万円弱かかります。

 

しかし、健康保険には患者の負担額を一定以下に抑える『高額療養費制度』があるので、患者が支払う医療費は最大でも年200万円程度、ほとんどの人は100万円かかりません。つまり残りの約3300万円は保険事業者の負担となります。

 

国はオプジーボの薬価を大幅に下げることによって、医療費の高騰にブレーキをかけようとしています。
ただ、これだけでは根本的な解決には至らないのも事実。

 

国民医療費の増大によって、国の財政は火の車状態です。
根本的な対策が急務となっています。

 

医療費は、必要なところに適切に使われなければなりません。
特に、命に関わる病に苦しんでいる人々に、適切に配分される制度であってほしい。

 

急性大動脈解離には、高額な治療費がかかります。
医療費の増大という名のもとに、大動脈解離治療へのアクセスが閉ざされることがないことを願うばかりです。

 

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