ここ数日、日本は最強クラスの寒波襲来の話題で持ちきりです。
昨日今日と、どこのお客さんを訪問しても大雪と寒さの話題から始まります。
確かに寒いです。
気温も低いし、強風が体感温度をグッと下げます。
大動脈解離を患った身としては、この寒さはちょっと厄介です。
寒いとどうしても、血管がキュッと締まる感じがします。
自分の血管にはきっと良くない現象が起こっている。
そう感じずにはいられず、少し不安になったりします。
でも、こればかりは避けられないし、悪い方に考えても仕方がありません。
この寒さを越えた先には、きっと何かいいことがあるはず。
そう思うとこの寒さも耐えられます。
この寒さがあるから、暖かい布団の中で眠ることに大いなる幸せを感じることができる。
あったかい部屋の中で、温かなご飯を食べることにこの上ない価値が出てくる。
そう。寒いからこそ、その正反対にある暖かさの価値がグッと上がるのです。
この「振れ幅」があるからこそ面白いのです。
私も似たような経験をしました。
極限まで鍛え、強靭な肉体を手に入れた。
自分は誰よりも健康で、病気にも無縁な身体になった。
そう思っていた矢先、急性大動脈解離という病気を発症。
手術と加療によって、強靭な筋肉で覆われた身体は、元の貧弱な身体へと戻っていった。
鍛え抜かれた肉体が、大動脈解離という病気によって衰えるという、この「振れ幅」の大きさ。
でも、そこで気づいたことがあります。
それがあったからこそ、傲慢になっていた自分の未熟さを知った。
弱くて無力な本当の自分の姿を知った。
生きていることの意味、価値の大きさを知った。
病気で苦しんでいる人たちの本当の気持ちを知った。
人生を楽しむことの大事さを知った。
そう考えると、大動脈解離が教えてくれたことは無限大の広がりをみせます。
私は大動脈解離によって、今までとは全く違う新しい人生を歩み始めることができたのです。
人生の「振れ幅」。
きっとこの幅が大きければ大きいほど、より深みのある人生を送ることができるのではないか。
そう感じずにはいられません。
寒いから、と部屋に閉じこもっているよりも、外に飛び出すことで見えてくる何かがある。
この最強クラスの寒波が教えてくれた、人生の「振れ幅」の大事さです。
でも血管だけは大事に扱いたい。
そう強く思う自分もいたりします。
決して無理は禁物です。