未来予想図を描けるか?将来を展望するときに気をつけること。

投稿者: | 2017年2月13日

「人を動かすリーダーの言葉」 113人の経営者はこう考えた
(PHP新書) 片山修

この本は2006年12月に発売されました。
今からちょうど10年前です。
その当時の輝ける経営者たちが、それぞれの考えを述べています。
どの言葉も重みがあり、示唆に富み、大変参考になりました。

その中でふと気づいたことがあります。
この本の内容は、1990年後半から2000年代初頭の経営者の言葉が中心となっています。
その当時からみた将来への展望を元に、経営戦略が語られているのですが、その経営戦略が正しかったのか?うまくいかなかったのか?
2017年になった今読み返すと、その結果が如実に表れていて非常に面白いです。

最近話題になっている東芝について。
2006年当時の、西田厚聡社長の言葉が印象的です。
その当時の経営判断は、従来の白物家電中心の経営から、原子力事業と半導体事業を経営の二本柱にしていく、ということでした。
2006年に米国の原子力会社ウェスチングハウスを買収したのですが、その正当性について西田社長の力強い言葉が述べられています。

あれから10数年が経ちました。
東芝は2015年に不正会計が発覚。会社としての信用を一気に落としてしまいました。
その要因のひとつとなったのは、ウェスチングハウスの巨額買収であったのです。
さきの株主総会でも、2000億円の減資が決議され、今年度も巨額の赤字決算となることが確実となりました。
これから東芝がどのようによみがえっていくかは見ものですが、当時の経営判断の正当性や、買収後の経営戦略に疑問符をつけざるを得ません。

将来の展望というのは、なかなか難しいものです。
展望には短期と中長期の2つあります。
短期は、来年どうなる?くらいの展望です。
より具体的な環境変化を考慮して考える必要があります。
想定する範囲も限定されますので、実際に舵を取る経営陣としては決断しやすい部類に入るのかもしれません。

中長期(5年~20年後)を考える場合は、現在の環境要因、社会的状況、政治的状況などを踏まえて、将来どうなるかを大胆に予想します。
現状ではありえない状況も10年後にはあり得るかもしれません。
逆にいえば、そうなるように仕向けていく、という戦略もあり得ます。
経営者の腕の見せ所は、この未来予想図を描く能力ということに集約されるのかもしれません。

将来のことなんて誰にもわかりません。
いつ関東に大震災がくるかもわかりません。
でも、大地震が来ることはほぼ「確定した未来」といっても過言ではありません。
将来確実に起こることに対しては、しっかりと備えておくことは大事でしょう。

それ以外のことについては、企業経営であれ個人であれ、とにかく大胆に将来を思い描く。
それを経営戦略や自分の目標に落とし込み、日々の生活にまで落とし込んでいく。
それが将来成功するかもしれないし、大きな失敗になるかもしれない。
その答えなんて誰にもわかりません。
分からないことを不安に思っていても仕方がありません。
「今」をしっかりと生きること。結局ここに落ち着きそうですね。

この本を読んで、そんなことを感じました。良書でした。

 

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