機械弁の音を誇らしく思いたい。

投稿者: | 2018年2月14日

スタンフォードA型の大動脈解離。
それを起こしたときに、大動脈弁にも損傷を起こすことがあります。
そうなったら、機械弁に移植しないといけません。

私もそのひとり。
私の大動脈弁は機械弁です。
バチバチという心拍音がかなりの音を立てて響きわたります。

剣道の稽古のとき、「黙想」という時間があります。
通常は稽古の開始前と終了後に行います。

「正座、黙想」という掛け声。
その後、剣士たちは両手を重ねて親指を合わせます。まるでお釈迦様のような格好。
そして目を瞑り、呼吸を整え心を鎮める作業を行います。
この時、道場である体育館は、波を打ったようにシーンと静まりかえります。

その時、私の大動脈弁は相変わらず、バチッバチっというけたたましい音を立てます。
正直なところどこまで聞こえているかはわかりません。
でも、静まった体育館中に響き渡っているのではないか、という錯覚を覚えます。

黙想中に、自分の心拍音が隣の人たちに聞こえているのではないか?
恥ずかしいなぁ。
そんな煩悩が私を襲います。

でもそれは本当に煩悩なのです。
恥ずかしいことではなく、自分が生きているという紛れもない証。
むしろ誇らしく思うべきなのです。

この音にも慣れました。
たまに不整脈も発生しますが、もう気にすることはありません。
逆にいうと、その音があることに幸せを感じるのです。
生きているという証。
これは何事にも代え難いものです。

煩悩を消し去ること。
人生は修行です。
この修行は、きっと一生続くんだろうな。

その運命を受け止めたいと思います。

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機械弁の音を誇らしく思いたい。」への1件のフィードバック

  1. kirameki2

    こんばんは。初めまして。kirameki2(北海道在住の48歳在宅勤務サラリーマン)と申します。
    自分の病気について調べているうちに、こちらのブログへと辿り着きました。

    私も昨年11月に急性大動脈解離(A型)を発症し、救急車で搬送され、そのまま緊急手術(17時間)となりました。
    手術内容は、「弓部大動脈の人工血管への置換」、「大動脈弁の人工弁への置換」、「冠動脈3本の
    バイパス」という盛沢山状態でした。

    最近、私も人工弁の音が気になるようになりました。娘からも「人工弁って結構音大きいね。」と言われます。主治医の先生に人工弁の音について聞いてみたら、「音が気になるということは、弁がよく作動している証拠なのでいい事ですよ。中にはその音が気になってノイローゼになる人もいるようですけどね。」と言われました。何だか元気づけられて、それ以降あまり気にならなく(気にしない様に)なってきました。

    術後4ヶ月近く経ちますが、術後の後遺症?なのか、数百メートル歩くと左足が痛くなり、歩行困難となります。
    なので通勤が困難なため、今は在宅勤務させていただいております。来月には雪解けが見込まれるので、自転車で
    通勤出来ないかな~と期待しています(笑)

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