先日、仕事を終えて、会社から自宅へ自動車を走らせていました。
自宅近く、片側一車線の生活道路。
私の直前を走る普通乗用車が、突然センターラインを超えて逆走を始めました。
前方から走ってきた自転車をはね、対向車線側のガードレールにぶつかって停車。
まさに突然の出来事。
私は重大事故の目撃者となってしまいました。
すぐに車を止めて救援活動を行います。
自転車を運転中にはねられた被害者は、30歳の女性。
5メートルほど飛ばされたでしょうか。
でも幸い意識ははっきりしており、脚が痛くて動けないとのこと。
救急車が到着するまで、動かさずにその場で待機。
一方の加害者側。
60歳前後の男性でした。
事故後も運転席に座ったままぐったりした様子。
外傷はなかったようです。
話しかけても、うーんと唸るばかり。
明らかに意識が遠のいている。一見して病的なものを感じました。
パトカーとそのあと救急車が到着。
女性は救急隊員の処置の間、痛みのため悲鳴に近い声をあげます。
その声がとても痛ましく、聞くのがとても辛かった。
そして程なく病院へと運ばれていきました。
一方の加害者側の男性。
警察官が対応しているうちに意識が戻ったのか、運転席から立ち上がり車外へ出てきました。
フラフラと千鳥足。
しばらく警察官とやりとりした後、こちらも救急車で運ばれていきました。
目の前で起こった交通事故。
複雑な思いが頭をよぎります。
被害者への対応。痛みに苦しむ女性をただ見ているしかできなかった無力感。
加害者に対しては、女性を苦しめているいう事実に対する怒りの気持ち。
それと同時に、自分自身いつでも加害者になり得るのだ、という恐怖にも似た思い。
7年前、私の身体で起こった急性大動脈解離。
意識を失い倒れ込んだという経験。 もしそれが自動車の運転中であったなら。
目の前で起こった事故は、偶然ではなく必然となるのです。
複雑な思いを胸に帰路につきました。
交通事故。
加害者にも被害者にもなりたくはない。
そう強く思うことしかできませんでした。