運命の分かれ道。急性大動脈解離による失神の瞬間。

投稿者: | 2017年10月20日

私が急性大動脈解離を発症したとき、失神を起こしました。
失神なんて、私の人生の中で一回きりの経験です。

業界団体の賀詞交換会。
立食パーティーでお客さんとお話していたときのことでした。
突然、私の胸の奥の方で、大動脈が上から下へ裂けていったのでした。

私はその場を中座して、近くにあった椅子に腰掛けました。
「何なんだ?この痛みは?」
その瞬間は、動転する気持ちの中でそう思いました。
と同時に、これはヤバい病気だな、というのは瞬間的に認識しました。

一緒にお客さんとお話していた上司が心配そうに近づいてきて、「大丈夫か?」と言うニュアンスの言葉をかけてきてくれました。
私は律儀にも、起立してその問いかけに応じようとしました。
そして、立ち上がったその瞬間に、私は失神しました。

その瞬間のことをあとから上司に聞きました。
私が立ち上がった瞬間、私の目が白目をむいて、そのまま前のめりに、まるで巨木が倒れるように、棒立ちのまま床に倒れ込んだとのことです。

失神中は、白目をむいて小刻みに震えていたとのこと。
なんとも恐ろしい光景です。
約30秒ほど、それが続いたといいます。

目が醒めると、私は右頬を下にして、ふかふかの赤い絨毯に頰をうずめていました。
身体が思うように動かなかったのと同時に、身体をヘタに動かしたらまずいんだろな、という感覚がありました。
私は倒れてからずっと、周囲の人たちに私の身を任せました。

 

失神の瞬間というのは、まさに運命の分かれ道です。
私はホテルの宴会場だったのが幸いし、倒れたときの怪我は皆無でした。
私は運良く、最良の環境の中で失神を起こしたのでした。

 

たまによく考えます。あの失神の瞬間が、
硬いアスファルトの上だったら?
クルマの運転中だったら?
階段の上だったら?
お風呂に浸かっている時だったら?

私の運命は、今とは全く違うものになっていたことでしょう。

考え始めたらキリがないですが、運命の不思議さを思い知ります。
心臓由来の失神は、命の危険と隣り合わせです。
そのことは、常に認識しておく事が大事です。
と同時に、今の自分の状態がどんなに幸せか、という事を身にしみて感じる次第です。

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