剣道をやめて20年後。37歳の時。
子供たちと公園で遊んでいました。
すると、剣道の重たい防具を担いで、トボトボ歩いている少年剣士を見かけました。
その時、「剣道を再開してみたいな」という衝動的な思いが私の心を駆け巡りました。
それが何故なのかは、今考えても皆目見当がつきません。
帰宅後すぐにネットで調べて、今の剣友会へ入会の申し込みをしました。
子供たちも一緒。ほぼ即断即決でした。
もちろん、当時は防具など一切持っていませんでした。
奥さんを拝み倒して、そこそこの値段がする防具一式を購入しました。
再開後初めて行なった稽古では、20年というブランクの大きさを実感しました。
まるで自分の身体じゃないような感覚。
10代の若かった頃のイメージと、20年を経て実際にやってみた動きとの大きなギャップ。
なんともうまくいきませんでした。
ただ、久しぶりに防具をつけて行なった稽古。
楽しさと気持ちよさ。
そして、もっと強くなりたい、上手くなりたい、という熱い衝動が駆け巡ります。
そこから私は、剣道の虜になってしまいました。
中学、高校時代に感じていた、剣道に対する嫌悪感。
今はそういった感覚は一切ありません。
むしろ、あれほど嫌がっていた剣道の稽古が、今はもう待ちきれないほどの楽しみになりました。
20年という空白。
そして、公園でたまたま見かけた少年剣士。
そんな偶然が、剣道という新たな人生の楽しみを、私に与えてくれたのでした。
剣道の再開から約半年後、私は急性大動脈解離で倒れることになります。
しばらく剣道から離れねばなりませんでした。
でも、剣道に対する情熱は、衰えることはありませんでした。
むしろ、そうした期間があったからこそ、剣道を心から楽しめるようになりました。
これは紛れも無い事実です。
先月、上段の構えで四段を取得しました。
ホッとしましたが、でも、それと同時にまた新たな目標が生まれました。
上段の構えで剣道五段を取得したい。
もう、これは自分の中では揺るぎない人生の目標です。
そのチャレンジは、順調にいって5年後になります。
何よりもまず、それにチャレンジできる身体、精神を維持することが大前提。
無理せず楽せず、自分の健康をしっかりと維持させること。
そして、剣道を心から楽しみたい。
今日は土曜日。定例の稽古でした。
気温は真冬並みでしたが、稽古をしていると程よく汗をかきます。
それがなんとも気持ちがいい。
やはり剣道は楽しい。
そのことを再確認した1日でした。