腕立て伏せ。
大動脈解離を起こす前は、日々のルーチンワークのひとつでした。
子供を背中に乗せ、強い負荷をかけながらプッシュアップ。
そうすると、程よく筋肉が盛り上がってきます。
それがなんとも気持ち良かった。
そんな中で起こった急性大動脈解離。
胸部のど真ん中をガバっと開く手術が行われました。
鍛えられた大胸筋は、なんともあっけなく分断されたのでした。
一か月の入院。体力は相当に落ち込みました。
できることといえば、とにかく血圧をあげないような運動です。
筋トレなど急激な負荷をかける運動はご法度。
腕立て伏せなんて論外です。
よって、ウォーキングを中心とした緩やかな運動に徹しました。
おかげで下半身は、かなり早い段階で入院前と変わらない筋力まで回復しました。
ただ、負荷をかける筋トレができない上半身は、情けないくらいに薄っぺら。
腕もまるで棒のように細くなっていました。
胸に残る手術痕。
ずっと突っ張ったような感覚が続きました。
そのため、胸を開くような運動に恐怖心がありました。
キズがガバっと開いてしまうような感覚。
一年くらいは、腕立て伏せなんてできるような状態ではありませんでした。
あれから6年。
胸のキズはほぼ目立たなくなり、違和感もまったくありません。
継続して行っているウォーキングやスロージョグ、剣道。
それらのおかげもあって、今では腕立て伏せも難なくこなせます。
身体の全体的な筋力は、退院前とはいかないまでも、ある程度自信が持てるまでに回復しました。
年を追うごとに、自分の体力が向上していくのを肌で感じることができます。
元気に生きていくためには、やはり体力が必要です。
そのためには、自分にあったトレーニングをしっかり継続していくこと。これが大事です。
ウォーキング、スロージョグ、剣道。
あくまでも無理・無茶な運動はご法度です。
でも、今後も自分に合ったペースでこれらの運動を続けていきたい。
そう決意した次第です。